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gleco・きまぐれ テーマソング 「Prelude in G minor」 Rachmaninov 〉〉

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瑛彪・玄彪
birthday:
1985/08/03
job:
大学生・美術部員
hobby:
図画工作
pr:

スピッツと
マグリットと
宮部みゆきと
ねこ科の動物が大好きなやつです

             どうぞよろしく☆




gleco 

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                                   エッシャー展に行ってきた 上 〉〉

                                   エッシャー展に行ったきた 中 〉〉


で、僕はバイトで国分寺に戻り、マフィーとA氏は買い物で渋谷の街に繰り出した。

陽が落ちて、昼間の暖気が空に帰っていく。入れ代わりに、天から冷気が降りてくる。

バイトを終え、学校に戻った僕は、図書館で勉強し、小説を書き、仮眠を取って、部室に引き上げた。

部室は鍵が閉まっていた。珍しく誰もいないのだ。

僕はちょっと寂しい気持ちで鍵を開ける。

まるで鍵っ子な気分だ。


一人暮らしをしてもう随分経つし、自分の家の鍵を開ける時はまったく感じないのに、
何とも云えない寂寥感が背筋を走る。

 

いつも誰かいるところに、誰もいないってのは、違和感があるな。

 

ドアを開けると、つけっ放しのテレビが目に入る。向かいのソファーには誰もいない。

部室に入る自分の足音がいやに響く。

アトリエを覗くと、無表情な石膏像が見返してきた。

ろくろ室を覗くと、できかけの陶器がシンと並んでいるだけだった。

だれもいない。

このくうかんに、ぼくひとり。

 

・・・なんか、こわい。

 

エッシャーなら、こんな風景をどう描くだろうか。

ふと考えてみた。

斜め線の連続で、闇からイーゼルを浮き出させる?

どこかから爬虫類がのそのそ出てくる?

あの不気味な人面鳥が窓から覗いたりして? 

その後ろには摩訶不思議な風景が広がっていたりして?

そんなことを考えていると、足音が聞こえてきた。

バッと振り返って見る、部室の戸が開く。

「おう、こんばんはぁ。」

戸から入ってきたのは、マフィーとA氏だ。

僕はホッとした。ものすごくホッとした。


「おかえり! どうだった、買い物?」

「いっぱい買ったさ。ね、マフィー」

「ええ、買いましたとも」

「いいなあ、僕も生きたかったぁ~。
 あ、それ何? いっぱい詰まってる小さい箱」

「これ? なんだと思う??」

「何ぃ? マグカップ?」

「さぁね」

「もうっ。じゃあマフィー、教えて! 開けちゃうぞ」

「待ってください。落ち着いてください、先輩。これは・・・」

「よお、どうしたの皆?」

「あ、きみたん! こんばんは~」

「それ何? その山」

「マグカップだよ」

「やっぱりそうじゃん! 何で教えてくれなかったの、マフィー!!」

「云おうとしたんですよ」

「で、このマグカップは何なの?」

「景品。お買い上げ3000円ごとに一つ進呈」

「え~っ! どんだけお買い物してきたのあんたたち!!」


わいわい騒いで、夜は更けていくのでした・・・。



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