gleco・きまぐれ テーマソング 「Prelude in G minor」 Rachmaninov 〉〉
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gleco |
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エッシャー展に行ってきた 上 〉〉
エッシャー展に行ったきた 中 〉〉
で、僕はバイトで国分寺に戻り、マフィーとA氏は買い物で渋谷の街に繰り出した。
陽が落ちて、昼間の暖気が空に帰っていく。入れ代わりに、天から冷気が降りてくる。
バイトを終え、学校に戻った僕は、図書館で勉強し、小説を書き、仮眠を取って、部室に引き上げた。
部室は鍵が閉まっていた。珍しく誰もいないのだ。
僕はちょっと寂しい気持ちで鍵を開ける。
まるで鍵っ子な気分だ。
一人暮らしをしてもう随分経つし、自分の家の鍵を開ける時はまったく感じないのに、
何とも云えない寂寥感が背筋を走る。
いつも誰かいるところに、誰もいないってのは、違和感があるな。
ドアを開けると、つけっ放しのテレビが目に入る。向かいのソファーには誰もいない。
部室に入る自分の足音がいやに響く。
アトリエを覗くと、無表情な石膏像が見返してきた。
ろくろ室を覗くと、できかけの陶器がシンと並んでいるだけだった。
だれもいない。
このくうかんに、ぼくひとり。
・・・なんか、こわい。
エッシャーなら、こんな風景をどう描くだろうか。
ふと考えてみた。
斜め線の連続で、闇からイーゼルを浮き出させる?
どこかから爬虫類がのそのそ出てくる?
あの不気味な人面鳥が窓から覗いたりして?
その後ろには摩訶不思議な風景が広がっていたりして?
そんなことを考えていると、足音が聞こえてきた。
バッと振り返って見る、部室の戸が開く。
「おう、こんばんはぁ。」
戸から入ってきたのは、マフィーとA氏だ。
僕はホッとした。ものすごくホッとした。
「おかえり! どうだった、買い物?」
「いっぱい買ったさ。ね、マフィー」
「ええ、買いましたとも」
「いいなあ、僕も生きたかったぁ~。
あ、それ何? いっぱい詰まってる小さい箱」
「これ? なんだと思う??」
「何ぃ? マグカップ?」
「さぁね」
「もうっ。じゃあマフィー、教えて! 開けちゃうぞ」
「待ってください。落ち着いてください、先輩。これは・・・」
「よお、どうしたの皆?」
「あ、きみたん! こんばんは~」
「それ何? その山」
「マグカップだよ」
「やっぱりそうじゃん! 何で教えてくれなかったの、マフィー!!」
「云おうとしたんですよ」
「で、このマグカップは何なの?」
「景品。お買い上げ3000円ごとに一つ進呈」
「え~っ! どんだけお買い物してきたのあんたたち!!」
わいわい騒いで、夜は更けていくのでした・・・。