gleco・きまぐれ テーマソング 「Prelude in G minor」 Rachmaninov 〉〉
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どうぞよろしく☆
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「あ、履修登録。
もうそろそろ教務課に行かなきゃ」
と、部室を出る僕と
「あ、3時だ。
もうそろそろ家に帰んなきゃ」
と、部室を出たパー子。
なぜか一緒に教務課に行くことになった。
3階から階段を下りている最中、
やっぱりパー子はご機嫌で、
僕が「こないだポニョ見たよ」というと、
それからずっとポニョを歌っていた。
パー子といるとBGMに困らない。
僕は最近マスタード色のマフラーを気に入って、しょっちゅう巻いており、今日も巻いて両端を背中に垂らしていたのだが、
パー子もそれを気に入ったらしく、階段を下りているときから、マフラーの端っこを握っていた。
そのまま学館を出て、生協前を通る。
気分が乗ったパー子は、マフラーの両端を手綱のように握って、
「ここほれ、わんわん♪」
と云い始めた。
普段人通りが多い生協前だが、幸い、今は授業中なので閑散としている。
「ここほれ、わんわん♪」
ぱしぱし
「ここほれ、わんわん♪」
ぱしぱし
人がいないことに任せて僕はそのままにしていたけれど、
曲がり角の向こうから、学生服を着た男の子がたくさんやってきた。
高校生が見学に来ていたのだ。
もちろんパー子は相変わらず。
「ここほれ、わんわん♪」
ぱしぱし
ごめんなさい、少年たちよ。
いきなり大学生の実態を見せてしまいました。
僕は思った。
馬のように引かれる僕を見て、彼らは何を思うだろう。
「今日の見学で一番印象に残っているのは?」
という問いに、
「お馬さんごっこをしている大学生」
と答えるかもしれない。
そんな彼らに二言云いたい。
僕らがやっているのは、お馬さんごっこじゃない。
(たぶんおそらく)花咲か爺さんごっこだ。
そんなことを思いながら、僕らは彼らとすれ違った。
「ここほれ、わんわん♪」
ぱしぱし
「ここほれ、わんわん♪」
「ん~、パー子。
ここらへんはアスファルトだからダメだわ」
そのまま、教務課のある、本館に到着。
パー子の「ここほれ」コールはまだやまない。
廊下じゅうにパー子の嬉しそうな声がこだまする。
階段の前だと、もっとこだまする。
※ただいま授業中です
すれ違う人は、しっかりすれ違ってから僕たちを凝視する。
「ここほれ、わんわん♪」
「ん~、パー子。
ここらへんは大理石だからダメだわ」
教務課前のポストに履修登録票をすとんと入れる。
入れるはいいが、入れた後で
「あれ? 今俺、ちゃんと4年のとこに入れたっけか? 3年のとこじゃなかったっけ?」
と思い始めた。
「な、パー子。
今俺、ちゃんと4年んとこ、入れた?」
返ってくる返事は予想できたが、一応聞いた。
「そこほれ、わんわん♪」
「ん~・・・、
そこはスチールだからダメだわ」
本館を出ると、パー子がやっとマフラーを放した。
「あ~、今日はダメダメだぁ~」
秋晴れの空に両手を伸ばしながら、パー子。
「そうだね」
首に食い込んだマフラーを直しながら、僕。
「ダメだわ」「ダメだわ」云い過ぎたかな?と思っていると、
「ダメダメパー子だぁ~」
真っ青な空に吸い込まれる、超ご機嫌のパー子の声。
「ダメダメって、お前のことかよ!
しかも、ダメダメパーって、ひどくないか?!」
さすがに僕はびっくりした。
「ダメダメパー子だぁ~」
「・・・そうだね」
「人間のカスだぁ~!」
「・・・」
無言になった僕の横で、パー子はくるくる回る。
しかし、突如毅然と仁王立ちになり、僕に向かって、こう云い放った。
「カスってお呼び!!」
ダメダメパーを極めたセリフだ。と僕は思った。
「パー子・・・
その発言は、イジメたいの? イジメられたいの?」
・・・どちらでもいいんです。たぶん。
云いたいだけなんです。
結局、僕は「カス」とも「ダメダメパー」とも云わず、
家に帰るご機嫌パー子を見送った。
ダメダメパーな状況を体験した、穏やかな昼下がりでした。