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gleco・きまぐれ テーマソング 「Prelude in G minor」 Rachmaninov 〉〉

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瑛彪・玄彪
birthday:
1985/08/03
job:
大学生・美術部員
hobby:
図画工作
pr:

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マグリットと
宮部みゆきと
ねこ科の動物が大好きなやつです

             どうぞよろしく☆




gleco 

ぐれ猫グレコです。

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「あ、履修登録。
 もうそろそろ教務課に行かなきゃ」

と、部室を出る僕と

「あ、3時だ。
 もうそろそろ家に帰んなきゃ」

と、部室を出たパー子。

なぜか一緒に教務課に行くことになった。

 



3階から階段を下りている最中、
やっぱりパー子はご機嫌で、
僕が「こないだポニョ見たよ」というと、
それからずっとポニョを歌っていた。
パー子といるとBGMに困らない。

僕は最近マスタード色のマフラーを気に入って、しょっちゅう巻いており、今日も巻いて両端を背中に垂らしていたのだが、
パー子もそれを気に入ったらしく、階段を下りているときから、マフラーの端っこを握っていた。

そのまま学館を出て、生協前を通る。

気分が乗ったパー子は、マフラーの両端を手綱のように握って、

「ここほれ、わんわん♪」

と云い始めた。

普段人通りが多い生協前だが、幸い、今は授業中なので閑散としている。


「ここほれ、わんわん♪」

  ぱしぱし

「ここほれ、わんわん♪」

  ぱしぱし
  
  


人がいないことに任せて僕はそのままにしていたけれど、
曲がり角の向こうから、学生服を着た男の子がたくさんやってきた。

高校生が見学に来ていたのだ。

もちろんパー子は相変わらず。


「ここほれ、わんわん♪」

  ぱしぱし

 

ごめんなさい、少年たちよ。
いきなり大学生の実態を見せてしまいました。

僕は思った。
馬のように引かれる僕を見て、彼らは何を思うだろう。
「今日の見学で一番印象に残っているのは?」
という問いに、
「お馬さんごっこをしている大学生」
と答えるかもしれない。
そんな彼らに二言云いたい。

僕らがやっているのは、お馬さんごっこじゃない。
(たぶんおそらく)花咲か爺さんごっこだ。

 

そんなことを思いながら、僕らは彼らとすれ違った。


「ここほれ、わんわん♪」

  ぱしぱし


「ここほれ、わんわん♪」

「ん~、パー子。
 ここらへんはアスファルトだからダメだわ」

 

そのまま、教務課のある、本館に到着。

パー子の「ここほれ」コールはまだやまない。

廊下じゅうにパー子の嬉しそうな声がこだまする。

階段の前だと、もっとこだまする。

※ただいま授業中です

すれ違う人は、しっかりすれ違ってから僕たちを凝視する。

「ここほれ、わんわん♪」

「ん~、パー子。
 ここらへんは大理石だからダメだわ」
 
 

教務課前のポストに履修登録票をすとんと入れる。

入れるはいいが、入れた後で

「あれ? 今俺、ちゃんと4年のとこに入れたっけか? 3年のとこじゃなかったっけ?」

と思い始めた。

「な、パー子。
 今俺、ちゃんと4年んとこ、入れた?」

返ってくる返事は予想できたが、一応聞いた。

「そこほれ、わんわん♪」

「ん~・・・、
 そこはスチールだからダメだわ」
 

 

本館を出ると、パー子がやっとマフラーを放した。

「あ~、今日はダメダメだぁ~」

秋晴れの空に両手を伸ばしながら、パー子。

「そうだね」

首に食い込んだマフラーを直しながら、僕。

「ダメだわ」「ダメだわ」云い過ぎたかな?と思っていると、

「ダメダメパー子だぁ~」

真っ青な空に吸い込まれる、超ご機嫌のパー子の声。

「ダメダメって、お前のことかよ!
 しかも、ダメダメパーって、ひどくないか?!」

さすがに僕はびっくりした。

「ダメダメパー子だぁ~」

「・・・そうだね」

「人間のカスだぁ~!」

「・・・」

無言になった僕の横で、パー子はくるくる回る。
しかし、突如毅然と仁王立ちになり、僕に向かって、こう云い放った。


「カスってお呼び!!」


ダメダメパーを極めたセリフだ。と僕は思った。

「パー子・・・
 その発言は、イジメたいの? イジメられたいの?」

 

・・・どちらでもいいんです。たぶん。
   云いたいだけなんです。

 

 

結局、僕は「カス」とも「ダメダメパー」とも云わず、
家に帰るご機嫌パー子を見送った。

 

 


ダメダメパーな状況を体験した、穏やかな昼下がりでした。

 

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